UN*X使いからみたWindowsのパーティションの区切り方などについてのメモです。
クライアント版ではWindowsVista以後標準でGPT領域(MBR由来の2TB制限を超えた領域)が扱える1)ようになりました。
WindowsXP 32Bit2)では対応しておらず、WindowsServer2003 SP1 32Bit以後では対応3)している形式です。
MBRの制限はなく、128個のパーティションを区切ることができます。
ちなみにGPT形式でフォーマットしたディスクはWindowsXP(32Bit)や、Windows2000など旧式の環境下では読み込めませんので、要注意です。
MBR領域は区画数に制限があり、最大4つの基本(プライマリ)パーティション、もしくは3つのプライマリパーティションと1つの拡張パーティションを作ることができます。
拡張パーティションはPC内で最大1個。内部には論理パーティションと言われるパーティションを制限なくつくることができます。
拡張パーティションは論理パーティションを格納するためだけの容器なので、起動をすることはできない区画となりますが、影響はとくにないとおもますので、とりあえずはプライマリで区切り、足りなくなった時のために4つめ以後を区切るなら、拡張パーティションを使えば大丈夫でしょう。
Windowsにはダイナミックディスクという形式もあり、先ほどのMBRの制限を超えてパーティションを作成したり、領域を拡張できたりします。
Window2000以後搭載された形式で、最初に説明したMBR区画のことをベーシックディスクとよび、これをダイナミックディスクへ変換することができます(逆は標準機能のみでは不可能)。
また、WindowsでソフトウェアRAIDを使うには、ダイナミックディスクに変換しないと扱えません。
対応していないOSは、XP/Vista/7のHome~で始まるEditionです。それらでは扱えない形式です。
基本的に全パーティションは空き領域を意識したサイズを設定すべきです。
これは、HDDやSSDでも、空き領域があればトラブルがあってもそのセクタを回避してHDD・SSDがしばらくはもってくれる可能性が高いからです。
必要な容量*10%程度は最低限ほしいです。理想をいえば20%程度あれば余裕があるといえます。
一般的にCドライブといわれる領域ですが、OS単体だけでも「成長」することが多いので、最低でもWin2k3系以後なら20GBは割り当てるべきでしょう。
10GB前後でも動かなくはないですがWindowsUpdateなどによりさまざまな「ゴミ」ファイルを作ってくれるので、使っているうちに大変なことになります。
また、次の項目にもかかわってきますが、仮想メモリ(ページファイル)は別領域にしたほうがいいかもしれません。
Windows系OSは3.x系のころから実際に搭載しているRAMより多くのRAMができました。
これがいわゆる仮想メモリです。
この仮想メモリの実態はpagefile.sysというファイルです。
このファイルは、非常に分断しやすくデフラグする必要性が高いファイルとつかってるうちにすぐになってしまいます。
LinuxやFreeBSDなどUN*X系OSのほとんどはSwap領域といわれる領域を確保することで、そういったトラブルをできるだけ発生させないようにしています。
しかしならWindows7になっても未だPagefile.sysをOSと同一区画に書き出しています。
このため、手動でパーティションを区切って専用の領域を割り当てたほうが高速に使うことができそうです。
Win32系ではRAMが4GB(実質3.25GB付近に制限がある場合も)までしか使えずPAEを使っても1プロセスが扱えるメモリの制約が変わるわけではありません。
また、64BitになってRAMの搭載可能容量が大幅に拡大しても、Windowsは継続的にPagefile.sysを要求してきます。
なので、OSをインストール際には32BitOSでも最低2GB最高8GB程度のパーティションを作っておけばデフラグをしないといけないよな断片化の発生がしにくくなるのでお勧めです。
64bitの場合仮想メモリは最大128TBまで扱えるそうなので事前の領域確保は迷うところですが一般的にメモリ搭載の100%~200%程度でUN*X系では計算するのでWindowsも同様でいいと思います。
また、パーティションを確保後に、Windowsの仮想メモリの設定項目で容量を制限してしまうのもおすすめです。
最小値と最大値を同一にしておき、断片化をさらにふせぎにくくすることができます。
ちなみに、この作業はWindowsインストール直後にgpartedなどのツールを使ってる容量を変更して作業するのをおすすめします。
インストール後しばらくたってからだと、同様の領域を作成するのはちょっと面倒ですが、デフラグ後にgpartedを使えばたぶん大丈夫です。
しかし、場合によってはファイルを失う可能性もあるので、バックアップを事前にとるなど十分気を付けて実施してください。
一般的にTemp領域などと呼ばれている領域のことです、この領域はWindowsでは特に区別した区画をつくってはいませんが、UN*X系の多くは/tmpとして区画をもっています。
また、作業途中のファイルなどは、こういった領域に保存時し、データ領域へ移動すると全体としてみれば断片化対策ができます。
具体的には C:\Documents and Settings\ C:\Users にあたる領域がユーザスペースの一時領域として使われ、他にも C:\Windows\Temp など様々な一時領域があります。
環境変数などで変えられるものは以下の通りです。
一般的にソフトウェアをインストールしようとするとOSと同一の区画にあるC:\Program Files\以下にインストーラーが求めてきます。
しかし、OS区画とアプリケーション区画を同一にすると断片化がより発生するのでおすすめできません。
また、一部のマルウェアやウィルス・トロイの木馬など対策もかねてできる限り別領域へインストールするのをおすすめします。
もっとも、DOSの時代のようにこの領域を別区画にしてHDDが破損してOSが起動しない状態でアプリケーション領域から取り出したアプリケーションがそのまま使えるというわけではない場合が多いのであくまで整理・断片化対策のためです。
個人的にはあまりすすめていませんが、念のため書いておきます。
MBR形式では2TBまで。GPT形式で8ZB4)程度まで領域が確保できます。
ただ、HDDが大容量化するにともなってデータ損失の確率も大容量で発生する確率が高くなってくるのでプラッタにあわせて区切るのも一考です。
また昨今HDDの大容量低価格化がすすみ、2011年10月のタイ洪水被害がなければ2011年末2TBのHDDは\6000JPY以下だったでしょう。
しかし、洪水の影響で一部メーカのHDD値段が洪水前比較で3倍以上にもなっているモデルまで沸騰し、今後しばらくは高騰した値段が続くといわれています。
それでも、だいぶ安くなったHDDへ恒久的にデータ保存を考える人もすくないはずです。
データを保存するとき恒久的な保存を考えるならRAID1などをおすすめしますが、やはり外部メディアへのバックアップもするべきです。
また、HDDを一年に最低でも1・2回程度通電させれば、HDD丸ごとバックアップさせるというの手です。ただし、除湿・温度対策などして保管すべきでしょう。